何おもう

天童荒太さんの「悼む人」。
舞台に続き、映画化されました。
天童さんの作品は「永遠の仔」の文庫本からハマり、その後に出版しているものは読んでいます。
今回映画化された「悼む人」も単行本・文庫本そして
主人公が作中で記録している「静人日記」も読みました。

ここからはネタバレが入っていますので、
映画を楽しみにしている方はご注意ください。
(文庫本以来読んでいないので記憶が少し曖昧です)








日本各地を巡り、他人の死を悼んでいる静人。
誰に言われるともなく、突然そんな不可解な行動に出た。
全く見知らぬ土地に行き事件現場を尋ね聞いて回るもんだから、
そりゃ不審がられる。
尋ねる内容も宗教じみているから、なおさら不気味に映る。
彼の目的は、一人の人が大切な存在として生きていたことを悼むため。

亡くなった方の関係者は当然、白い目で彼を見ます。
縁もゆかりもない土地で、赤の他人が肉親の死を悼んでいるのですから当然です。
客観的に読み進めていけば多数の方もこのように感じるのではないでしょうか。
しかし一方で、そんな彼に対してでも
覚えておいてほしいという気持ちを持つ関係者も出てきます。
「悼み」を中心にした作品です。

描かれている視点は
「死者」「生きている人」「死にゆく人」「生まれてくる生命」の4つです。
読み進めて行くと、この4つがうまく絡み合って
静人が行っている「悼み」をいろんな視点で捉えられます。

静人の行為に対しては賛否両論あると思います。
読み終えた後でもスッキリはしないのではないかと思います。


それでも各視点の立場で考える事が出来るので、個人的には好きな作品です。