Yesという言葉

久しぶりにジョンレノンを聴いて思い出した
ジョンの心をつかんだ言葉。
ジョンとヨーコを結んだ言葉。

ビートルズ以降のジョンの音楽は
ビートルズのように4人の感性がうまく混ざってできた音楽ではなく、
LOVEというものが常に中心にあり、
語りかけるように、また心から素直に出てきて
詩がストレートに強く伝わってくると感じる。
もちろん英国ではLOVEをつかう文化があるので
ビートルズ初期からその言葉は出てくるのですが、
個人的には「ラバーソウル」あたりから
言葉の重みに変化が感じられます。

ソロの中では「Woman」が一番好きです。
世の中の男性を代弁してくれてるような、そんな気がします。
他の好きな曲に「Intuition」という曲があるのですが
詩の内容を見れば納得できる人も結構いるのではないでしょうか。
僕も含め、いままで感覚でやって(生き抜いて)きてる人なら
まぁその通りだな、と感じる人もいるのではないかと思います。

ちょっと脱線しましたが…話を戻しますと
始まりはまだビートルズだったころにジョンがヨーコの個展を訪れたときのこと。
(補足:当時オノヨーコは前衛芸術家としてすでに世界的に活躍していました)
場所はロンドン インディカギャラリー。
ギャラリーの一角に(ここから何かの映像で見た記憶で書きますので間違っていたらスイマセン)
脚立がポツンとあり、その上の天井からは虫眼鏡がぶら下がっているという作品があった。
脚立に上って天井に近づき虫眼鏡で覗くと、

ただ「Yes」とだけ。

ただこれだけの作品。
しかし、この一言で一気にジョンの心はヨーコに向かい、
のちに2人はパートナーとなるわけです。

そこにあったのは、ただ「Yes」という言葉だけ。
肯定であり、また容認であり、受け入れてくれる意思表示の言葉。

脚立を何段上ろうが、虫眼鏡を使っても使わなくても
Yesという文字が見えたのなら「それでいいんだよ」って、
「人それぞれであってそれでいいじゃない」と
すべてを認めてくれているような、
優しく見守ってくれているような包容力を感じます。
ジョンでなくても当時の敏感な人はこの作品に触れて
きっとそのような気になったのではないでしょうか。

ちなみにギャラリーで出会うまでは、
知人に誘われたもののあまり乗り気でなかったジョンと
ビートルズのメンバーならポール推しのヨーコ。
そんな2人を結びつけたステキな言葉のお話でした。